Akira's Commentary

VNCviewer for X (3.3.2r3 以前)

このドキュメントはバージョン3.3.2r3以前の Xlibベースのビューワについての説明です。 現在のバージョンについては 新しいXtベースビューワのドキュメント [原文] [翻訳] の方を御覧ください。

以下のようにサーバを指定してビューワを起動します。

vncviewer snoopy:2

ここで「snoopy」はサーバのマシン名で、 「2」はそのマシン上で動作しているVNCサーバのディスプレイ番号です。 「-h」で他のオプションの一覧が表示されます。 以下のようなオプションが使えます。

-shared
新たにVNCサーバに接続すると、 通常は既存の接続はすべて切断されます。 しかし、このオプションを指定すると既存の接続が維持され、 複数のビューワで 同じリモートデスクトップを共有することができます。

プロトコル上はこうなっているのですが、 最近のサーバではサーバ側でも共有指定ができるようになっています。 サーバ側で共有/専有を指示した場合にはサーバ側の指示が優先され、 ビューワ側での指示は無視されます。

-display Xdisplay
VNCviewerのウィンドウが表示されるXディスプレイを指定します。

指定されていなければ環境変数DISPLAYで指示される Xディスプレイに表示されます。

-passwd password-file
もし、VNCサーバが使用するパスワードファイルにアクセスできるなら、 これを指定することによってパスワードの入力をしないで済みます。
-viewonly
このオプションを指定すると、 ビューワからのキー入力やマウス操作はサーバに渡されなくなります。 他の人が使っているリモートデスクトップを 邪魔しないで見るような場合に便利です。 多くの場合、「-shared」オプションと組み合わせて使用します。
-geometry geometry
標準のXの位置とサイズの指定です。

これで指定されるのはビューワのウィンドウの位置とサイズです。 リモートデスクトップのサイズは変更できません。 リモートデスクトップのサイズは、 Windows/Macサーバの場合には実際の画面サイズ、 Xvncサーバの場合にはサーバ側の起動時オプションで決まります。

-bgr233
これは、VNCサーバにピクセルデータを8ビットデプスで 送るように指示するものです。 もしサーバデスクトップのピクセルデプスがこれよりも 大きければ、送信前に8ビットピクセルに変換されます。 これによりネットワーク上に送られるデータ量が減少します。 これは低速のリンクを使っている場合には有利です。 しかしサーバへの負荷は増大しますし、 多少色が変になることがあります。
bgr233というのはJavaクライアントで使用される 8ビットのTrue Colourのピクセルフォーマットで、 上位2ビットがblue、次の3ビットがgreen、 最後の3ビットがredを表現します。 このようにRed、Green、Blueが それぞれ2、3、3ビットで表現されるので「bgr233」と呼ばれます。
-raw, -copyrect, -rre, -corre, -hextile
-nocopyrect, -norre, -nocorre, -nohextile
これらのオプションはvncviewerが どのようなエンコーディングを受け付けるかを VNCサーバに指示するものです。 通常、vncviewerはCopyRect、Hextile、CoRRE、RREの順で指示します。 これらのオプションはその順序、 あるいは特定のエンコーディングを受け入れないことを指示します。 例えば「-raw」を指示するとRawエンコーディングが 他のエンコーディングに優先して指示されます。 また「-norre」はRREエンコーディングを受け付けないことを指示します。
-depth d
これはビューワが表示されているXサーバが 複数のデプスをサポートしている場合だけ意味を持ちます。 そのようなディスプレイでは、 vncviewerは指示されたデプスのビジュアルを探します。 そのようなビジュアルが見つかったなら、 そのビジュアルに適したピクセルフォーマットをサーバに要求します。 このオプションでは特定のデプスをサーバに要求することはできません。 それができるのは「-bgr233」オプションだけです。
-truecolour
vncviewerはTrueColorクラスのXビジュアルを探して使用します。
-owncmap
vncviewerはPseudpColorクラスのXビジュアルを探して使用し、 それ自身のColormapを使用します。
-period ms
「incremental framebuffer updates」要求を ここで指示したミリ秒よりも頻繁には発行しないように vncviewerに指示します。 高速のサーバ、ビューワを組み合わせて使用している場合には、 このオプションによってネットワークの負荷を軽減することができます。
-wmdecoration wxh
通常、ビューワのウィンドウの大きさは、 接続先のリモートデスクトップのサイズに ローカルウィンドウマネージャによって付加される デコレーションを加えたものになります。 この時にローカルスクリーンのサイズがそれよりも小さければ、 ビューワは、デコレーションとスクロールバーが表示できる限り 大きなウィンドウを表示します。 このような場合、このオプションによってウィンドウマネージャの デコレーションのサイズを指示することによって 表示されるウィンドウのサイズを正しく指示することができます。 特にローカルウィンドウマネージャ無しで使う場合、 「-wmdecoration 0x0」としてやれば スクリーン全体を無駄なく使うことができます。
-rawdelay ms
-copyrectdelay ms
これらのオプションは画面表示のデバッグ用のものです。 「-rawdelay」ではRawエンコーディングで表示される矩形領域を、 ここで指示されたミリ秒の間、黒く表示して更新領域を示します。 「-coptrectdelay」はCopyRectエンコーディングで更新される 矩形領域について同様に示します。
-debug
このオプションもデバッグ用のものです。 これが指示されたなら、vncviewerはサーバから受け取ったデータを 16進およびASCIIで表示します。
-listen
このオプションは、AT&Tの内部版のVNCで使われるものです。 これを指示すると、vncviewerはポート5500+<ディスプレイ番号>で サーバからの逆方向の接続を受け付けるようになります。